ニュース・イベント
News & Events

ニュース・イベント
News & Events

Home › ニュース・イベント › ニュース › 2022年 › イベント・セミナー › CiRA国際シンポジウム2022を開催しました

ニュース 
News

2022年3月11日

CiRA国際シンポジウム2022を開催しました

 2月16日(水)と17日(木)の2日間にわたり、幹細胞研究者・学生を対象とした国際シンポジウム「CiRA 2022 International Symposium -Advancing iPS Cell Research Through Collaboration-」を開催しました。

 CiRAでは研究活動を発信するとともに、研究者らの国際交流によりiPS細胞研究の推進を図るために、2012年度から定期的に国際シンポジウムを開催しています。8回目となる今回は、昨今の新型コロナウイルス感染状況を鑑み、初めてオンラインで開催しました。 iPSアカデミアジャパン株式会社T-CiRAオリヅルセラピューティクス株式会社公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団より協賛いただき、約550名(うち海外から約220名)の研究者らが参加登録し、米国、スイス、オーストラリア、中国、日本から18名の幹細胞研究者が講演を行いました。

 今回のシンポジウムでは京都で一堂に会することはきませんでしたが、オンライン開催の特長を活かし、基調講演を除いた全ての講演とポスターを開催当日の1週間前から聴講・閲覧可能としました。

 当日は、マリア・バルナ准教授(米国・スタンフォード大学)の基調講演を始め、ライブセッションでは各パネルにつき4名の講演者がオンライン上で集まり、聴講者あるいはパネリストからの質問に答え、活発なディスカッションが行われました。

 1つ目のセッションでは、「Disease Modeling(疾患モデル)」をテーマに、星野歩子准教授(東京工業大学)、エリック・オルセン教授(米国・テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター)、マイケル・ワード博士(米国・国立衛生研究所)、クヌート・ウォルツェン准教授(CiRA)が最先端のエクソソーム生物学や、ゲノム編集を用いたiPS細胞研究、神経変性難病であるALSの発症機構解明研究、筋ジストロフィー治療研究について議論を交わしました。

 2つ目のセッションでは、「Pluripotency(多能性)」をテーマに、サラ-ジェーン・ダン博士(ディープマインド社)、ホセ・ポロ教授(オーストラリア・モナシュ大学)、山田泰広教授(東京大学医科学研究所)、髙島康弘講師(CiRA)が最新の知見を交えたショートトークを行い、パネリストや参加者が質問するという形で進行されました。機械学習、ブラストイド(胚盤胞様構造)や生体内でのリプログラミングなど、現在世界中で注目され、活発に研究が行われている内容に関して熱い議論が交わされました。

 3つ目のセッションでは、「Gene Regulation(遺伝子制御)」をテーマに、マリア・バルナ准教授、リンリン・チェン博士(中国・上海生物化学細胞生物学研究所)、リン・へ教授(米国・カリフォルニア大学バークレー校)、齊藤博英教授(CiRA)が討論しました。テーマは、リボソーム研究、核小体生成機構の研究、レトロトランスポゾンによる遺伝子発現制御の研究、RNAスイッチを用いた細胞選別の研究と多岐にわたりました。また、RNA研究における未解決問題や未来像についても各研究者から貴重なコメントをいただきました。

 4つ目のセッションでは、「Development and Aging(発生と老化)」をテーマに、サイモン・ハーストラップ教授(スイス・チューリッヒ大学)、ボウ・シェン博士(中国・北京生命科学研究所)、西村栄美教授(東京大学医科学研究所)、池谷真准教授(CiRA)が講演内容の概説およびディスカッションを行いました。各演者の専門性は多様性に富んでいましたが、モデレーターの江藤浩之教授(CiRA)、池谷准教授のもと、科学的な議論のみにとどまらず、キャリアパスやトランスレーショナルリサーチの課題点など、大変貴重な意見交換ができました。

 これら4つのパネルセッションに加え、ワークショップとして、元CiRA研究員で現在は海外の企業に勤務するトーマス・マウリセン博士、ニコラス・ボイド-ギビンス博士に、コロナ禍での就職活動の苦労やキャリアパスについて、若手研究者に向けてのアドバイスなどを伺いました。

 また、オンライン上での約40題のポスター発表を通じて、国内外の研究者が活発な情報交換や議論を繰り広げ、交流を深めました。

国際シンポジウムでディスカッションをする研究者たち

go top